「…なにも!!!なかった!!!…」【武士道】の観点からONE PIECEを読み解く【ゾロ】が死ぬ程カッコいい理由(スリラーバーク編)

2022年8月31日考察してみた

mikioです。どうも。

キングオブジャンプ漫画、ONE PIECEも現在、100巻を超えて爆進中です。

なんだか、毎回思うんですが、ずっとONE PIECEが続いている事への有り難みを感じます。

なにせ、小学生の頃に買った下敷き、未だに持っていますからね。

ONE PIECEの下敷き

こんな風に

  • 好きな漫画の連載が続いている事
  • 好きなバンドが解散せずに続いている事

これって、すごく喜ばしい事じゃないですか?

何故なら、それが続く事って、簡単な事じゃないからです。

大好きな【あの感じ】にまた逢えるってのは、それを命懸けで続けてくれている人が居るからです。素敵な事です。

終わりが薄っすらと見えてきたけれど、まだまだ麦わらの一味のカッコイイ生き様を見ていたい!

さて、そんな男の漫画ONE PIECEですが、50巻で描かれるゾロの姿がカッコ良すぎるのです。

今回は、以下の記事を前提に

参照記事:【武士道】2020年東京オリンピックに向けて日本人が知っておきたい大和魂の源流【ONE PIECEで解説】

野暮な男mikioが、粋な男であるゾロのカッコ良さを考えてみます。

では、あらすじを見てみましょう!

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mikio

ゾロー!!好きだー!!

【50巻】スリラーバーク編クライマックスのあらすじ

スリラーバークと云う名の島で、七武海の一人であるゲッコー・モリアに辛くも勝利した麦わらの一味。

ルフィはいつも通り、痛みも疲労も、その限界を突破するような戦い方をしてぶっ倒れます。

スリラーバーク編の無茶をするルフィ

出典:ONE PIECE/50巻/19p

ところが、七武海を一人落としたのも束の間、目の前にもう一人の七武海、バーソロミュー・くまが立ちはだかり、麦わらの一味は、ボロボロの状態で連戦を強いられる事になります。

ルフィは既に気絶しています。

バーソロミュー・くまの指名は海賊狩りのゾロ

スリラーバーク編のくまと対峙するゾロ

出典:ONE PIECE/50巻/49p

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mikio

この構図好き。

「全員抹殺」との政府の特命を受けた、【暴君】の通り名を持つ、七武海のくま

先ずは海賊狩りのゾロを名指しし、戦闘が始まります。

スリラーバーク編のゾロ(言い訳したらどなたか助けてくれんのかい?)

出典:ONE PIECE/50巻/50p

バーソロミュー・くまの悪魔の実の能力は、【ニキュニキュの実の肉球人間】

知らない人からすれば、「は?可愛いね」ってなりますよね。

なんだか全体的にふざけた存在ですけど、実力は本物。

肉球によって、あらゆるものを弾き飛ばす能力の持ち主なのです。

例えば、大気とか。

これが後の、ゾロが【死ぬほどカッコイイ】シーンを成立させる為に、重要な設定となります。

ダメージがデカすぎるゾロは太刀打ち出来ず

案の定、全く勝負にならない状況で

「…やはりこれだけ弱りきったお前達を消したところで何の面白みも無い…」

と、残したくまは、ある条件を提案します。

それは【船長の首を差し出す事】です。

スリラーバーク編(船長の首を差出せ)

出典:ONE PIECE/50巻/63p

勿論、麦わらの一味の答えは「NO!

立ち所に、大気を圧縮した衝撃波で、麦わらの一味は全員、島ごと吹き飛ばされます。

その瓦礫の中から、気絶しているルフィを見付け、くまが掴み掛かったその瞬間。

ゾロが不意打ちを仕掛けます。

鉄をも斬る居合技、【獅子歌歌 (ししそんそん)です。

しかし、なんと、くまは無傷。

しかも、くまの傷口から、彼がサイボーグである事が判明するのです。

スリラーバーク編(勝ち目無し)

出典:ONE PIECE/50巻/76p

ルフィへの忠義を示すゾロの【筋】

ゾロは此処で、ある覚悟を決めます。

スリラーバーク編(身代わり)

出典:ONE PIECE/50巻/77p

このシーンは、【武士道】の観点から見れば、【勇】に基づく言動だと言えます。

何故なら、苦肉の決断とは言え、ゾロは自らの【義】の為に、自分が死ぬ時は、今だと判断したからです。

参照記事:【武士道】を形成する七つの徳目 /【勇】

 

スリラーバーク編(船長一人守れねぇでてめぇの野心もねぇだろう)

出典:ONE PIECE/50巻/77p

ゾロには野望がある。それは世界一の剣豪になる事

しかし、ゾロにとって、今此処で船長1人すら守れない程度の実力では、世界一の剣豪になんて、なれない事と同義。

だから此処で、自分の死と引き換えに、一味を護ろうとしました。

自分が死ぬべき時は今だと、悟ったのです。

ゾロは、水の都ウォーターセブン編で、こんな台詞を残しています。

ウォーターセブンのゾロ

出典:ONE PIECE/45巻/151p

船長であるルフィと、狙撃手のウソップは、ウォーターセブンと云う島で、ボロボロになってしまった麦わらの一味の船、ゴーイングメリー号を巡って、大喧嘩をしました。

メリー号はこれまでの冒険で、船の心臓部、竜骨に致命的なダメージが蓄積していた為、ウォーターセブンの船大工でも直せないと、診断を下されたからです。

此処で船を乗り換えると、決断したルフィに対し、ウソップが大激怒。

ウソップの「メリー号を想う気持ち」 VS ルフィの「船長としての決断」が衝突。

そしてウソップは、船長のものであるメリー号を引き取る為に、ルフィに決闘を申し入れ、一撃で倒される。

お互いに、引き下がれない想いがあり、すれ違い、ウソップは一味を辞めました。

この辺の人間ドラマには、生々しいリアリティがあって、読んでる方も、なんとも苦しい気持ちになります。

ウォーターセブンのゾロ

出典:ONE PIECE/45巻/152p

このように、ものの道理を重視する男が、麦わらの一味に居たからこそ、この海賊団は自由そうでいて、信頼、統制が保たれている。

此処は、とてもゾロらしいシーンだと思います。

そしてゾロのこの時の、船長に対する哲学を体現しているシーンが、以下のシーンと云う訳です。

スリラーバーク編(ルフィは海賊王になる男だ)

出典:ONE PIECE/50巻/78p

ONE PIECE史上初めて、ゾロがこの言葉を口にしました。

まるで、主君への【忠義】を果たす、武士のようです。

死に際に、ゾロの本心が垣間見えた瞬間だったんだと感じます。

スリラーバーク編(ゾロに地獄を見せる)

出典:ONE PIECE/50巻/80p

バーソロミュー・くまは、ゾロの覚悟を認め、ルフィの痛みをニキュニキュの実の能力で、ルフィの体から取り出します。

僅かな痛みの破片でさえ、あのゾロが、のたうち回る程の巨大な痛みの塊です。

ルフィがぶっ倒れるまで蓄積して来たダメージを、文字通り、ゾロが身代わりになって全てを受ける事を課しました。

致死量の痛みを全て引き受けるゾロ

スリラーバーク編(船長の痛みを全て受け止めた)

出典:ONE PIECE/50巻/85p

死に至る程のルフィのダメージを、文字通り身代わりに受け、仁王立ちでゾロはこう言います。

スリラーバーク編のゾロ(何も無かった)

出典:ONE PIECE/50巻/85p

超カッコよくないですか?この【痩せ我慢】!!

敬意で、みぞおちがギューってなります。

これまでのゾロの行動により、その場に居合わせた全員の命が救われたのです。

ゾロとくまの【恥】に対する意識

今回の【ゾロVSくま】の戦いの中で、2人の【恥】への意識が垣間見れます。

此処で言う、【恥】について考えてみます。

例えば、あなたが「裸になって街を歩け」と言われて実際に歩かなければならなくなった場合、普通に恥ずかしいですよね。

それは普段、服を着て、街を歩いているからです。

いや、寧ろ「裸になって歩きたい」って人も、中には居るでしょうけど、それは置いといて。

じゃあ、その【恥ずかしい】と、どう違うのか?なんですよ。

此処には、微妙なニュアンスの違いがあるように思えてならない。

何故、先述した男2人は、【恥をかく事】を避けようとするのか?

語弊を恐れず言えば、【その方が格好良いから】ですよね。

これは最早、男としての美学であると。

この辺は、もう少し掘り下げてみたい心理なので、考えが纏まり次第、追記していきますね。

↓↓↓ちなみに、ぼくもマンガを描いたので読んでみてください↓↓↓

オリジナルマンガ:新鮮組(タップしてね)

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mikio
以上、mikioでした。ありがとうございました。
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