NHK Eテレの番組【ろんぶ〜ん】で紹介された感動の論文が面白かったので考察してみた

2020年3月6日考察してみた

【ろんぶ〜ん】イメージ

出典:NHK【Eテレ】ろんぶ〜ん公式サイト

デザインを勉強するようになってから、より物事の根拠に興味・関心が向くようになりました。

信頼出来る根拠を探して、彷徨って、行き着く先。それが論文です。

原著論文は世界で最先端の情報だと、落合陽一(敬称略)が発言していたのも印象的。

しかし、僕のような一般ピーポーが論文を読もうとすると、障壁にぶち当たります。

例えば、図書館に行ってNatureとか手に取ってみると、全部英語で読めないんですよね。

そりゃあそうだろ!英語くらい読めろよ!と言われたら、何も言えません。

 

そんな、論文に興味はあるけど手が届かないって人に、朗報です。

NHKの番組で放送されている、【ろんぶ〜ん】と云う番組が面白いです。

NHK【Eテレ】:毎週木曜/午後11時00分~ 午後11時30分(再放送:毎週土曜/午前1時00分~午前1時30分)

番組MC:ロンドンブーツ1号2号田村淳、中山果奈(NHK広島局アナウンサー)

ナレーション:石澤典夫

30分の番組内で、テーマに関する論文を15分ずつ、計2本の論文を、著者と芸人がプレゼンする構成となっています。ライトな手触りで、論文に触れる事が出来ます。

僕も英語の論文とか読めるようになりたいんですが、今から勉強したところで、翻訳系のデバイスとかアプリが、それをさっさと実現してくれそうな気配が強いんですよね。

従って、今は自分に出来る事を、粛々と進めた方が良さそうです。

 

さて、今回のテーマは【感動】です。

【感動とは何か?人はどうすれば感動するのか?】

そんな問いを、20年以上に渡って研究した【感動喚起のメカニズムについて】と云う論文があります。

著者は、東洋大学社会学部の戸梶亜紀彦教授。延べ3000人の感動体験を分析して来たそうです。

これは僕も、漫画を描く上でずっと気になっていた事なので、参考の為にまとめておきます。

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mikio

なんで自分は感動したんだ?

その問いに対する、ヒントの一つになるかも知れません。

 

その当時、約20年前の心理学の研究は、ネガティブな感情を扱う事の方が多かったそうなんです。(鬱の人を改善する等)

しかも、国内外の先行研究に、【感動】の論文は無かった。

そこで梶亜紀彦教授は、ポジティブな感情の方が自分も研究してて、楽しいんじゃないか。と云う動機で、感動の論文を書いたと話しています。

今回の番組内では、3つのアンケートを軸に【感動】を考察していました。

映画・テレビでどんなシーンに感動した?(157人にアンケート)

【ろんぶ〜ん】アンケート1

そしてアンケートの結果、人の感動は特定の出来事に分類されます。

【ろんぶ〜ん】4つの感情

  • とても強い愛情・友情・思いやり
  • 愛する人との死別・離別
  • 苦難を乗り越えてつかんだ勝利
  • 生き別れた者との再会

上記のようなパターンに該当する物語の場合、人は感動する傾向にあるようです。

此処で戸梶教授が気付いたのが、感動に直結する感情は喜びだけではなく、そこに悲しみも含まれている事です。

更に、そこに含まれる様々な感情は、概ね4つの感情に分類されます。

【ろんぶ〜ん】4つの感情

  • 喜び
  • 悲しみ
  • 尊敬
  • 驚き

此処で、戸梶教授が着目したテーマが【悲しくても感動するのは何故か?】です。

悲しくても感動するのは何故か?(79人にアンケート)

【ろんぶ〜ん】アンケート2

悲しいけど感動してしまう映画には、多くの場合、主人公の死等、辛い別れがあります。

これが感動になる為には、【当事者ではなく第三者であるから】と云う条件が必要となります。

当事者だと、生々し過ぎて悲しみの方が強くなってしまうからです。

そりゃそうですよね。状況によるけど、自分の家族が目の前で死んだのに、その場で感動するってのは何かズレてます。

それを第三者として、俯瞰で全体が見えているからこそ、悲しみが感動に結び付く。

端的に言うと、他人事だからこそ感動するって事ですよね。

 

僕の見解では、この悲しみの裏には、前提として先述した4つの感情の中にある、尊敬(リスペクト)が潜在していると考えています。

後述する【自己犠牲】についても、特定の人物に対する尊敬(リスペクト)の念が悲しみを上回って、激しい感情を引き起こすのではないでしょうか。

此処から戸梶教授は、感動を与えるヒーローとヒロインについて、掘り下げる事になります。

感動を与えるヒーローとヒロインとは?(138人にアンケート)

【ろんぶ〜ん】アンケート3

男女それぞれのアンケートから、男性が抱くヒーローとヒロインのイメージ、女性が抱くヒーローとヒロインのイメージをまとめています。

【ろんぶ〜ん】ヒーローとヒロインのイメージ

このデータから読み取れる事は、ヒーローヒロインに対して、誰もが共通したイメージを持っていると云う事です。

特に【外見の良さ】は、男女共に露骨に表れていますね。

それと、男性がヒロインに求めて、女性がヒーローに求める共通項として【自己犠牲】があります。

何故、自己犠牲がカッコイイのか?

それはエゴではなく、本質を優先しているからです。

これは、以下の記事で述べたような、カッコイイ大人が取る、生き物としての本質的な行為。と限りなくイコールに等しいと考えられます。

此処での、本質とは何かって話は、以下の記事参照です。

参照記事:格好良い大人が見据えているものの正体が解ってしまった

生き物を、自己犠牲的な行為に駆り立てる動機って、特定の仲間や身内に対する好意慈愛がある事が前提になっている筈です。

つまり、「あなたを護りたい」と云う気概が、結果として自己犠牲になる。

従って、そんな人間的な献身自体が、人が理想とするヒーロー、ヒロイン的な行動原理と言えそうです。

 

余談ですが、僕が気になった項目は、女性は【頭が良い人】を求めているんだなぁという所ですね。

飽くまでヒーロー、ヒロインに対しての話でしょうけど。

 

【こうあってほしい】【こう願っている】

このヒーロー像、ヒロイン像をデザインする事で、先述した4つの感情は、感動に結び付いていくようです。

そして最後に、この研究で最終的に導き出された感動の正体は、【感動とは緊張の緩和である】と云うものでした。

感動とは緊張の緩和である

【ろんぶ〜ん】感動の正体

【お笑い】についても、同様の事が言われている事を何処かで見聞した事があります。

これはどういう事か?メカニズムを図にしたものが、これです。

【ろんぶ〜ん】感動のメカニズム

此処でポイントなのは、高関与状態ですね。

これは別に、敢えてこう呼ばずとも、誰もが感じている事だとは思います。

感情移入していなければ、それを見ている人の感情自体、動きませんからね。

 

例えば、AKBの誰某が卒業しました。

当人は泣いてます。それを見ている一般ピーポーの自分からは、涙が出ません。

なんでか?

興味無いからですよね。

つまり、傍観。他人事でしかない。

 

結婚式で知り合いが結婚しました。

新婦のお父さんが泣いています。それを見ている一般ピーポーの自分からは、涙が出ません。

なんでか?

新婦との歴史を共有してないからですよね。

なんでお父さんは泣いてるのか?

ずっと側で、娘の成長を見守って来たからです。つまり、当事者だからです。

 

映画だって、起承が有ってからこそ、転結に感情が伴う訳で。

それが成立しなければ、伝わるのは【めでたいね】と云う客観的な事実だけ。

意識は蚊帳の外です。

物語って基本的に、自分の事じゃないんですよ。誰かの話なんですよ。

当然ながら、他人の感動は自分の感動ではないのです。

他人事に過ぎない。

 

先述した、【他人事だからこそ感動する】って話。

此処には矛盾を感じます。

その他人事が、自分の事のように感じる状態にならなければ、感動に至るまでの共感は得られないからです。

当事者意識が芽生えないと、感情移入には至らない。

感情移入が出来なければ、対岸の火事のような状態でしかない。

いや、そもそもが物語を追体験するって事は、対岸の火事を眺める事でしか無いんですけども。

つまり、他人事である事を前提にした自分事(感情移入)こそが、感動に至る条件って事です。

傍観してるのに、参加してる。そんな心理状態。

 

だから逆に、本来であれば「へぇ」で終わる筈のものを、感動にまで持っていくクリエイターってのは、その過程に何をしているのか?

  • 自分の感動は、何処から来たのか?
  • なんで感動したのか?
  • 何に感動したのか?

これを辿る事が、クリエイターとして活動しようとする人には、必要な目線なのではないでしょうか。

 

例えば、イタリア在住で、ヴェネツィアガラスデザイナーの土田康彦(敬称略)は、こう言ってました。

人間ていうのはみんな、心の中に優しさをいっぱい持ってる生き物で、それが何かの拍子に溢れると思うんですよ。

それを、芸術とか、とても美味しいもの、一粒のチョコレートで、解放する事の出来る人は、いいクリエイターだと思うんですよ。

そういう事ってのは、娘が教えてくれますね。

けがれの無い微笑みこそ、僕のその、クリエイティビティの根幹ですよね。

あれ程欲しいものは無いし、あれ程僕を励ましてくれるものは無いし。僕の命そのものです。

出典:SWITCHインタビュー/ガラス作家/土田康彦

僕はこの、【人はみんな優しさをいっぱい持ってる】って言い切る、彼の心に感動しました。目線が好きです。

例えば、悲しみを伴う感動でも、その仕組みは基本的には変わりません。

【ろんぶ〜ん】緊張

例えば、悲しみが含まれる映画では、主人公が死に至るまでに緊張状態が生まれます。

それが主人公の死によって、多くの人が救われ、幸せをつかむ事で緊張が緩和。

それによって感動が押し寄せてくる。

【ろんぶ〜ん】緩和

SFの金字塔とも言える、STAR WARSを例に挙げます。

ダースベイダーがただの悪役としてのキャラクターに収まらず、その裏の印象に、哀愁と切なさを纏い始める局面を迎えるのは、エピソード1で、あまりにも純粋だった彼の少年時代を知るからです。

感動の3つの効果

最後に、戸梶教授は【感動の3つの効果】について述べていました。

【ろんぶ〜ん】感動の効果

  • 動機付けを高める(やる気が高まる)
  • 考え方が変わる(新しい考え方を受け入れる)
  • 人を受け入れるようになる(他人に対して寛容になる)

感動によって、やる気が高まるってのは、僕も覚えがあります。

「この人スゲー……」って思える、ロールモデルに刺激を貰う(感動する)時です。

自分を圧倒するような熱に触発されているので、普段より熱量が高いです。

さて、今回この【感動の論文】に、感動する程の新たな発見は無かったんですが、今まで感じていた事を再確認して、整理できました。

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mikio
以上、mikioでした。ありがとうございました。
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