パクリ?【Arctic Monkeys】より【The Mirraz】の方がカッコイイ理由

2022年9月28日考察してみた

ミイラズNOmusicNOlife

随分前から、もやもやしていた話なので、思考の軌跡を仮固定して、此処に一旦、言語化しておきます。

パクリとは、なんなのか?

この記事の結論

The Mirrazは数式を引用してるだけ

【パクリ】の銘を打って未来を勝ち取ったバンド【The Mirraz】

先ずは、以下の動画を見てみて下さい。

滑ってくような不気味な3連符に、不穏なリフが疾走する。これがBrianstorm最大の魅力です。

では、次にこの動画をどうぞ。

はい、そういう事です。

でも僕はね、【The Mirraz】の方がカッコイイと思ってます。

上記のYouTubeを見た時に、「パクリだ」と言う人から、「パクリでは無いだろ」と言う人まで、大きく2通りに分かれるとは思います。

【パクリだ派】から見れば、なんで、パクってる方の肩持つんだよ!とか、言われてしまいそうですが。

結局、パクって抜ける事が出来る人って、早いんですよね。【その先】に行くスピードが。

これって所謂、守破離の【守】を踏襲してるって事ですからね。

どんな人だって、先ずはコピーバンドから入るし。好きなバンドの真似しますよね。

ギターとか、同じの買うでしょ。

Arctic Monkeysの系譜を継ぐバンド【WHITE ASH】

僕の知る限りだと、Arctic Monkeysの系譜を継いでる、もう一つのバンドがWHITE ASH

もう解散してしまいましたが。現在はTHE LITTLE BLACKとして活動しています。

大学時代、元々Arctic Monkeysのコピーバンドをしていて、2016年のライブでも、Brianstormのカバーを披露していた位ですから、絶対好きでしょうね。

初めてタワレコの視聴コーナーで、WHITE ASHを聴いた時は興奮しましたよ。

【On The Other Hand, The Russia Is…】っていう、1stミニアルバムの【Stranger】って曲なんですが。

何より、ドラムがカッコイイ。

改めて自分が、ハイタムとフロアタムでドコドコ叩く、プリミティブな打楽器の音。

硬質な音が好きなんだ、と云うことを、その時自覚しました。

クラッシュ打ちまくるドラムは、あんまり好きくないんですよね。

まぁそんな事はどうでもいいとして、初期のWHITE ASHは顔出しをしていなかったんですよ。

なんかCDの裏面、黒人4人組が並んでましたからね。「いや、違うだろ」とか思いましたけど。

声のイメージから何となく、長髪でアンニュイで中性的な人なのかなーなんて、勝手にイメージを膨らませていました。

だから、初めてYouTubeでボーカルを見た時はびっくりしましたよ。

完全にのび太でしたから。

イメージギャップの高低差激しすぎて、耳キーンですよ。

因みに、バンド結成以前から、彼は「のび太」と呼ばれていたそうです。

【パクリの典型】中国のディズニー?ランド

上記の2バンド(The MirrazとWHITE ASH)って似てますかね?

Arctic Monkeysの醸す雰囲気は似てるけど、全然違うと僕は思います。

つまり、何が言いたいかっていうと、【誰にだって系譜はある】って話です。

とは言え、とは言えですよ。

下品なパクリってのもあると思うんです。

これは完全に偏見が入ってる事を、承知の上で話をしますが。

かなり昔に、中国がね、ディズニーランドを丸パクリしている映像を見たんですよ。テレビか何かで。

その瞬間、僕は怒りを覚えました。

日本のキャラクターとかも、混じってたりして。ドラえもんとか、ピカチュウとかさ。

しかも、あまりにもクオリティが低いんですよ。

もうね、雑。作品に対する愛が無い。

気になる人は、Googleで【中国 ディズニー】と、クエリを入れてみて下さい。画像が出てきます。

それ以来ですね。

一概に断定するのは乱暴だけど、やっぱり「中国って下品だなー」と、そんな先入観が形成されました。

で、過去、職場に中国人が居たんで、その件について聞いてみたんですよ。

訪れる人達は、別にディズニーを知らない訳じゃないそうです。

知ってて行くみたいです。金持ち層が。そりゃそうか。

オフィシャルのディズニーランドが、2016年にオープンしてたみたいだから、現在あの闇のパクリーランドはどうなったんだろうか。名前すらよく知らないけど。

個人的な思いを記してしまうとね、「さっさと淘汰されてほしい…」なんて思ってしまった訳です。

不思議ですよね。

自分がウォルト・ディズニーな訳でも無いのに、そんな感情が生じるんですよ。

じゃあもし仮に、ウォルト・ディズニーが現代に生きていたとします。

彼がね、「いいよいいよ、どんどんやりなさい」なんて言えば、僕のこの想いは、なんなんでしょう。

本当に、余計なお世話ですよね。所詮、外野なんですよ。

まぁ以上のように、パクリってのは、場合によっては【怒り】を呼ぶんですよ。呆れ果てたり。

僕は、それについて、「なんでかなー」って考えました。

僕の結論として、怒りの原因にあるのは、僕がディズニーを好きだからです。

そして更に言うと、僕が日本人だからです。

「あれはパクリだー!」って言いたくなる人の心理

先述したようなパクリに対する感情の記憶を辿っていたら、当時、バンドやってた時代の事を思い出したんですけど。

まーそれはそれは、大好きなバンドが居たんですよ。憧れの兄さん達ですよ。

それを仮に【A】としますね。

その【A】をですね、なんと、丸パクリしてた【B】というバンドが現れた訳です。

尚且つ、それでテレビにも出てた。

その時もね、「うわ。それやっちゃうの?」って云う、パクった側に対する脱力と怒りがあった。

何故なら、【A】が好きだったから。

ライブではやらなかったけど、スタジオではやっぱり【A】の挙動を真似してました。

真似したくなるような格好良さですから。それは間違いない。

でも「それをやっちゃあお仕舞いよ」と云う、マインドセットがありました。

如何に、オリジナリティを抽出するか。みたいな発想で、【A】に近付こうと練習してました。

結果、【B】は一気に注目を浴び、解散後、新バンドを結成。

そこから更に、他のバンドのいいとこ取りをして、加速度的にその存在感を増していきました。

そしていつの間にか、FUJI ROCKに出演してましたね。

それを見て、学んだんですよ。

【自分なりの】とか、そこに固執してると、パクリ勢にとっとと置き去りにされるんだなと。

「凡人のオリジナリティなんて、誰も求めてねぇんだよ!」なんて、自分が自分に言いたくなった瞬間でした。

スピードを上げたいのなら、つまらないこだわりは一旦置いといて、ドラゴンボールのセルみたいに、他人の良い所を吸収しまくって先に進むべきだと

【パクリ】こそが、加速する為の最速ノウハウだったのです

そして、以上の事から言えるのは

「あれはパクリだー!」とか言ってる人ってのは、オリジナルの事が好きだって事ですね。

それか、暇人かのどっちかです。

好きだからこそ、ファンだからこそ、「パクリだー!」なんて、つまんない事を言い出すんです。

銀杏BOYZの、【あの娘に1ミリでもちょっかいかけたら殺す】みたいな心理です。

「俺の〇〇だ」みたいな、「私の〇〇だ」みたいな感じ。独占欲に起因する感情。

考えてみると、妙な気分なんですけど。

仮にパクられた方が、パクっていいよって言ってたら、パクっても、パクリにはなりませんね。

だとすると、結果的に【どう見えるか?】って話でしかないのかな、とも思います。

パクリ論争なんてのは、外野側の、主観的な感傷に過ぎないのかな、と。

【パクリ】の印象はクリエイターに対する【敬意】の有無

基本的に、作品の背後に敷かれているものって、作者の愛情だと思っています。

それはね、作り手が1番知ってる事だと思うんですよ。

理解してたら、簡単に他人のコピペなんて出来ません。

親子の観点で見れば、パクリってもう、子供の誘拐ですよ。

ちょっと大袈裟だけど、そういう事じゃない?

……とかなんとか言っちゃうから、感情を挟むから、ダメなんでしょうね。

そんなマインドセットだから、ノロノロなんですよ。

それはね、もうわかってますよ。

わかっちゃいるけど……っていう状態。変わらなければとは思う。

でもね、著作権が、何の為にあるのかって話ですよ。

当然、作者がより良い作品を作り続けていく為です。

端的に言うと、クリエイターの生活を守る為です。

金の為にやってる訳ではないにしろ、ボランティアでやってる訳でもないんです。

然るべき人の元に、然るべきお金が流れなければ、文化自体が衰退するだけですから。

だからこそ、パクリにも、最低限の礼儀があると僕は考えています。

【パクリ】と【オマージュ】のラインて何処にあるのか?

【パクリ】という言葉の語源は、諸説ありますが、基本的に【盗作】のニュアンスが強いですよね。

つまり、やってる事が表層的って事です。

なんと言うか、乱暴。

節操が無いって言うのかな。

まぁコレ、僕がそう感じるってだけの話なんで。極めて主観的な話なんですけどね。

だから人によっては、どんどんパクろうよ!って人も、一定数居る筈です。

そういう人はきっと、感情で捉えていないんですよね。

確かに、その方が合理的だし、正しいです。

そして、パクリを推奨する人は多分、2種類に分けられます。

  • 個人の感情よりも大局的な目線で見てる人
  • 個人的な利益を誰よりも優先する人

そう考えていくと、なんか、微妙なニュアンスなんですよね。

恐らく、好意を抱くパクリと、嫌悪を抱くパクリってのがあって、前者はオマージュって言葉に変換されます。

オマージュの背後にあるのは、【リスペクト】ですよね。

好き過ぎて、似てしまう。

好きな人の使ってる【型】を、踏襲するイメージ。

後者は、上記のような【盗作】という言葉に変換される。

使えそうなものは、手当たり次第に使うような。

ジェダイの騎士で言う所の、フォース的な2面性。

ライトサイドと、ダークサイドみたいな。

ただ正直、「なんか嫌だな」って思う人と、「別に気にならない」って人の、違いが解りません。

似てるので有名な2人を挙げるとすると、僕は尾田栄一郎(敬称略)の漫画が大好きですけど、真島ヒロ(敬称略)の漫画は、なんか嫌だなと思ってしまいます。

でもそれが何故なのか、までは解らないんですよ。

先述した感情論で言えば、尾田栄一郎(敬称略)が好きだからって話にはなるんでしょうけど。

1つの【型】として汎用されるリズム

以下の記事でも言いましたが、Misstopiaは個人史上、最も美しい曲です。

参照記事:美しい一撃を放つ日本のバンド【THE NOVEMBERS】の音楽と哲学

僕はこの、Misstopiaのイントロのリズムが、好きで好きでどうしようもないんです。

このリズムに、美しいとか、心地いいとか、そういった快感情が伴います。

で、やっぱり似たようなリズムに反応してしまうし、【この感じ】の曲を見付けた時は嬉しくなりますね。

何度も聴いてしまうのです。

例えば、ビッケブランカとストレイテナーの曲に、このリズムの曲があります。

この記事で紹介したリズムもそうですね。

参照記事:OFF BEATで踊ろう!思わず身体が動き出す洋楽3選!

音楽のリズムは、1つの【型】として、汎用される。

これは、流用であり、転用であり、引用でもある。

ミイラズの畠山(敬称略)にとってはそれが、Arctic Monkeysの3連符だったんだと思うんですよ。

だからね、これをパクリと呼ぶのなら、凡ゆる音楽はパクリだよって話になって来ますよね。

つまり、重視する点てのは、音を出してる人の目線なのだと考えています。

これはどうやったって、唯一無二じゃないでしょうか。

何故なら、僕はその人の目線で世の中を感じる事が出来ないからです。

誰も誰かになれません。

逆に言えば、誰も僕の目線で世の中を見る事は出来ない。

同じ事象を100人の人が見ても、100通りの見え方があります。

同じリンゴを見ていても、全員が同じ見え方をしているとは限らないって事です。

ゴッホは色覚異常だったそうです。だからこそ、独創的な色彩の絵を描いたのだと言えますね。

先人が築き上げてきたものに自分が何を【追加】するか

【The Mirraz】のボーカル、畠山承平(敬称略)は、Arctic Monkeysが好きだって事を公言しているし、なんなら歌詞にもそれが散見される。

例えば、以下の【check it out!check it out!check it out!check it out!】は、自らパクりについて言及している。

歌詞は以下、公式サイトに掲載されています。

The Mirraz公式サイト:check it out!check it out!check it out!check it out!

少し長いけど、【check it out!check it out!check it out!check it out!】について言及している、ブログの一文を以下に引用します。

僕が「check it out」で歌っているのでよく誤解されるんですけど、「2パーや3パーの印税なんかいらねー」というところですが、これは「印税がいらない」んじゃなくて「2パーとか3パーしかもらえないの?おかしくね?作ってる人がそれだけ?そんな少ないの?ふざけんな!」という意味です。歌詞って難しいよねー。

実際、現代では印税だけで飯を食うのはかなり難しい時代です。

システムを変えていかないとミュージシャンは音楽で食べていくのが困難になるし、ライブメインになってくると、音源レベルが下がり、レベルの高い音楽が生まれにくくなると思います。

だから問題提示としてこういう歌詞を書いたんですけど、全然伝わりませんでした。

さらに、check it outというのは、ラッパーなら誰でも使う言葉なわけですが、僕はあえてビースティボーイズの名前を出しています。

別にビースティの名前を出す必要もなかったですが、歌詞に面白さを出すために書きました。

あえて書くことで、ビースティのパクリなのか、とリスナーに勘違いさせるために書いたのです。

出典:The Mirraz/ LINE BLOG/印税

「なんか後付けっぽいな」とも感じたんですが、本人がそう言ってるんだからそうなんでしょう。

この文章の中だけでも、【勘違いさせよう】と云う意図があったり、【誤解される】って言ってたり。

その辺、なんかツンデレっぽい。

でも言ってる事は、とても腑に落ちる内容です。

ただ、歌詞の解釈に、【正しい】も【間違い】も無いので、それが短絡だろうがなんだろうが、自分が感じた事は否定できない。

で、此処で僕が感じるのは、畠山承平(敬称略)は、オリジナルなんてタカが知れてるって事を、誰よりも理解してるのではないでしょうか?

インタビューとか、ブログとか見てても、実際、音楽業界の勢力図みたいなものを分類して、かなり分析してる人ですからね。

一見、短絡に見えるけど、確信犯なんですよね。

以下の曲を聴いてください。彼の真意が垣間見れます。

畠山承平(敬称略)が強く望んでいる事は、【日本の音楽の進化】である事を窺い知れますね。

誰が作ったとか。そういう事よりも、極端に言うと、人類がどう進んでるかって言う観点でものを見てるって云うイメージ。

大局的に捉えている。そんな印象を持ちます。

そして、ポイントは【敢えて言ってる】ってところです。

【The Mirraz】がカッコイイ理由は、【〇〇のパクリバンド】っていう先入観を、敢えて利用してる所にあります。

畠山承平(敬称略)って、チャラく見えるんだけど、言ってる事が真っ直ぐなんですよ。そこが良いですよね。

だからNEW WORLD聴いてるとワクワクします。

歌詞を自分なりに要約すると、先人が築き上げてきたものに対し、自分が何を追加するか

これですね。

この観点で【パクリ】について考えると、以前とは違った見え方になる筈です。

カラオケで歌うと楽しい【The Mirraz】の歌詞の情報量

最後の余談です。

【The Mirraz】を、カラオケで歌ってみて下さい。最高に気持ち良いです。

なんでか?

小学生の時に、変な替え歌憶えませんでしたか?

あの感じ。あの感じです。

「早口言葉言えたぜ!」みたいな気分。達成感です。

「じゅげむじゅげむごこうのすりききれ……」的なニュアンス。

【The Mirraz】歌ってると、その他のバンドの曲歌うよりも、何故か、やってやった感があります。

ポイントは滑舌。噛まないで言えるかな?って感じ。そこがいい。

多分、聞いてる方も退屈しないんじゃ無いかと思うんですよ。文字を追うのに夢中になれるので。

それくらい、歌詞の情報量が凄まじい。

これも、Arctic Monkeysのボーカルの特徴だったりします。

リズムに合わせる事よりも、矢継ぎ早に言葉を詰め込んで飛ばしまくってる。

その辺もどうなんだろう、影響を受けているのかな。

因みに、個人的に一番好きな曲であり、カラオケで歌えると最高に【快】な曲は、【僕らは】って曲です。

サビの畳み掛ける感じが、声を枯らさずに歌いきった時の高揚感たるやいなや。気持ち良いです。

因みに、【The Mirraz】史上、一番速い×情報量多いミニアルバムは、【夏を好きになるための6の法則】ですね。

先述したNEW WORLDもそうだし、このミニアルバム収録されている、最後の曲【ENDLESS SUMMER】って曲の後半部分が凄いんですよ。

曲の1小節の中に、これでもかってくらいに、キャパオーバーの文字数が、ぎゅうぎゅう詰めにされている。

もうね、何言ってんのかわかんない。速すぎて。

以下は公式サイトで公開されてる歌詞です。

参照:The Mirraz/LYRICS/ENDLESS SUMMER

ただこの曲、カラオケに入ってないんですよね。入れてください偉い人。

【守】から如何に【破離】するかが本家を超える鍵になる

思うんですけど、少なくともパクった人が、パクる相手に対して、【凄い】って思ってなかったら、わざわざパクったりしないですよね。

だからね、結果として、パクられる人ってのは、「この人すげー」っていう、他者からの認知がある証拠でもあります。

それは誇るべき事実でしょう。

つまり、パクられる人は、その点に於いて、確実にその他大勢よりも秀でてるって事です

誰かの主観で良いんですよね。

誰かがカッコイイと感じたら、それでもう、その人にとってはパクリを超えた独自性になり得る。

少なくとも僕は、【The Mirraz】を単なるパクりバンドだとは思っていません。

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mikio
以上、mikioでした。ありがとうございました。
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