the pillowsは「ずっと待ってる」鍵だらけの部屋にこもった少年時代の【キミ】のことを
おはようございます。mikioです。どうも。
僕には、BUMP OF CHICKENに並び、中学時代から好きなバンドがいます。
それが、2019年に結成30周年という節目を迎えた重鎮バンド、【 the pillows】です。
最近だと、CMで女性ボーカリストのUruにカバーされてて、Funny Bunnyが脚光を浴びてましたね。
アクエリアスのCMにピロウズ使われてて反応してしまった。
声は女性だけど
間違いなくFunny Bunnyだった。歌ってるの誰だろう?
— みきお (@mikio_96) November 2, 2019
アクエリアスのCMで流れるUruのFunny Bunny
いや、まぁFunny Bunnyは確かにキャッチーで、いい曲なんだけども。
the pillowsの魅力ってのは、他の曲にこそ宿ってると思ってます。
やっぱ、個人的には90年代のthe pillowsが熱いです。
今回はその辺を、勝手に語っていきます。
因みに、UruはFunny Bunnyだけじゃなくて、YouTube上にバンプのカバー、rayとかも歌ったりしてます。
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the pillowsは弱者の体裁を纏った強者の唄を歌う
the pillowsの何がいいかって、山中さわお(敬称略)の歌詞に滲み出る、気高さなんですよね。
「売れた」「売れない」といった、下世話な話をするなら、the pillowsは業界のメインストリームにいたバンドではないです。
【ハイブリッドレインボウ】という曲から、【雨上がりに見た幻】という曲の文脈を見れば、それは痛いほど感じられます。
結果的に弱者の立ち位置にはいるけど、でも、「それでも俺は」っていう、強い意志。
the pillowsの曲の中には、そんな、毅然とした気概を感じます。
例えば、男1匹、結果を出すまで、誰にも理解されない。みたいな状況。
そんな世界に突っ込んでいく人間は、必ず世間からはみ出したところで抗う期間があります。
そのまま突き抜けるのか、力尽きて横たわるのか、結果はどうあれ、当人は誰にも見えない闇の中を行くわけです。
ストレンジカメレオンという曲のワンフレーズにあるように、孤独と自由は、抱き合わせだから。
孤独だとか、孤高だとか言うと、一匹オオカミ的な響きになるけど、別にそんなカッコイイもんではなくて。
結局はただ、うまくやれなくて、下手くそなまま、うだうだやってる、うだつの上がらない男が、ただ虹を待ってるっていう。
なんだかその、あの場所に行きたいけど、行けないまま。な人にとって、シンパシーを感じずにはいられない世界観が、the pillowsの曲には広がっているのです。
つまり、漫画家を目指していた10代、20代の僕にとって、the pillowsの音と言葉は、正義の味方なんかよりもずっと心強かった。
誰もが忘れても 僕は忘れたりはしないぜ
世界が笑っても 自分を疑わない
時代が望んでも 流されて歌ったりしないぜ
全てが変わっても 僕は変わらない
出典:Fool on the planet
the pillows/山中さわお
君を待ってたんだ!【thank you my twilight】
山中さわおの曲には、「待ってる」とか、「待ってた」とかいった、クソみたいな日常を耐え忍んでいる描写が多いです。
誰かと待ち合わせてるみたいに
見えたなら間違いじゃない
キミを待ってたんだ
出典:Thank you,my twilight
the pillows/山中さわお
ブルース・ドライブ・モンスター
憂鬱な世界を踏み潰してくれないか
ずっと待っている
出典:Blues Drive Monster
the pillows/山中さわお
僕の解釈だと、the pillowsは、【君を待ってる】バンドなんですよね。
で、【キミ】ってのは誰か。
それは、まだ会った事は無いけど、どうしても逢いたい人のことです。
当人にとっての恋人なのか。或いは、未来の理想の自分なのか。
そういうのは、聴く人が都合よく可変させればいいと思います。
いずれにしろ、そんなキミに出会う明日を待ってると。
Can you feel?
Can you feel that hybrid rainbow?
ここは途中なんだって信じたい
I can feel.
I can you that hybrid rainbow.
昨日まで選ばれなかった僕らでも
明日を待ってる
出典:ハイブリッドレインボウ
the pillows/山中さわお
「ずっと待ってたんだ」って、そう言える瞬間を待ちながら、ずっと一人で耐え忍んでいる。
もし、そんな心境に、心当たりがあるのなら、the pillowsは必聴なんですよ。
誰かになりたいわけじゃなくて今より自分を信じたいだけ
僕には、ずっとモヤモヤしてたことがありました。
それが、【自分を疑わないこと】と、【自分を疑うこと】の関係性です。
矛盾するんですけど、どっちも必要なことだと思うんですよ。
以下の記事で述べましたが、【疑うこと】は哲学の本質であり、基本スタンスです。
参照記事:哲学は疑いを原動力とする人類至上初の学問
僕が、the pillowsの山中さわおに教わったことは、【自分を疑わないこと】の方のスタンスですね。
この軸ありきで、哲学的なスタンスを取り入れて、ヘーゲルの弁証法的に改善を繰り返す。
つまり、最近は、この2つを意識的に使い分ければいいんだ、という考えに至っています。
僕のイメージだと、eastern youth(イースタンユース)の吉野寿(敬称略)や、the pillowsの山中さわおのような人。
所謂、「俺は俺」「お前はお前」みたいな思想が強い人。
この考え方って、あんまり日本ぽくなくて、西洋的な個人の思想に近しいものがありますね。
どう転んだって俺は俺
どんな俺だって俺は俺さ
出典:ソンゲントジユウ
eastern youth/吉野寿
基本的にロックってものは、多様性に対して寛容的です。包容力が桁違いなのです。
息苦しい同調圧力の働く日本でも、それは例外ではない。
闇さえも、歌ってしまったら、結果的に聴き手が光を見るっていう、面白い構造を持ってるんですよね。
僕の理想の人間関係って、「好きにしろよ」と。「俺も好きにやるから」と。そんな感じなんですよね。
で、やっぱロックやってる人は、そういうスタンスの人が多い。だからロックバンドが好きなんだよなぁと。
the pillowsのメンバーって、いつの間にかもう、50代ですからね。
それでも尚、the pillowsとしてのスタンスは崩れない。
こんなカッコイイ大人がいると思うと、ほんと心強いですよ。
では、最後に、僕の1番好きな曲を貼って終わります。
審査員は自分自身の他に誰も要らない
出典:New Animal
the pillows/山中さわお