【ザ・マインドマップ】本を読んだレビューと使い方【読書メモ】としての最適解となるか?
マインドマップってご存知でしょうか?
僕は数年前に、デザインのスクールで知りました。
しかしながら、厳密に教わった訳でもなく、グループ毎のアイディア出しで使ってみた程度の知識だったんですよね。
従って、その頃はまだマインドマップの手法が、自分の習慣には上手く馴染まなかったんですよ。
暫くは、全く使い熟せないまま、記憶の片隅に追いやられていました。
最近になって、読書メモとしての最適解が、マインドマップなんじゃないか?っていう仮説が立ったので、意識的に使うようにしています。
ただ、結局は我流仕込みの為、やってみた結果、「なんか違う」っていう違和感だけが残ってしまう。
そこで、正しいマインドマップの使い方を再認識する為に、マインドマップ提唱者であるトニー・ブザンの著書【ザ・マインドマップ】を参考にしてみた次第です。
今回の記事では、忘れない読書術として使えるように、マインドマップのポイントをまとめています。
マインドマップは記憶力向上にメリットがある?
さて、トニー・ブザンの【ザ・マインドマップ】は、文字通り、マインドマップの本なんですが。
最初の50ページは、近代の脳研究や、脳の思考過程、従来のノートの取り方の弊害について、ピックアップされています。この時点で、結構面白い。
以下はその一例です。
神経生理学の研究によると、毎秒10項目のデータ(各項目は簡単な言葉かイメージ)を100年間、脳に送り込んだとしても、脳の記憶容量の10分の1も使われないという。
出典:ザ・マインドマップ/トニー・ブザン /48p
で、知らない人からすれば、そもそもマインドマップって何なん?って話ですよね。
端的に言えば、マインドマップってのは、放射思考を図で表したものです。
紙の中心に主題を置いて、そこからブランチと呼ばれる枝を伸ばしていく。
これを繰り返して、脳内の情報をマッピングするようなイメージです。
- セントラルイメージ→
- メインブランチ→
- サブブランチ→
- 更に深い階層へと続く
マインドマップは、このように、中心から広がる放射状の階層構造になっています。
イメージとイメージを繋ぐブランチ(枝)は、イメージを保管する為の【部屋】の役割を果たしてる訳です。
なんで階層構造が良いのかっていうと、情報を階層的に序列化させる方が、記憶する際に有効だからです。
これは1969年に、心理学者が行った記憶力についての研究実験によって、実証されています。
例えば
- 楽器という単語を最上位の階層に置いて→
- そこから弦楽器や打楽器→
- 更にヴァイオリン、ビオラ、チェロ。
みたいに整理したグループと、無作為に言葉を並べたグループとの比較をする訳です。
で、階層化させた情報をインプットした方が、やっぱり記憶を思い出しやすいという事がわかったんですね。
この事からも、情報の整理という意味でも、記憶術という意味でも、マインドマップは有効って事なんです。
マインドマップってなんか気持ち悪いよね
いや、マインドマップを見た時の最初の印象って、「なんかウネウネしてて気持ち悪いな」ってのが正直なところだったんですよね。
ぱっと見、美しいとは思えなくて。どちらかと言えば、ブランチの曲線が不気味さを助長させてます。
疑問だったのが、何で敢えてブランチをウネらすの?っていう不思議ですよ。
そのウネりへの抵抗があって、なんとなく直線でブランチ描いてたんですよね。
でもどうやら、その有機的なウネりこそが、脳的には良いって事が後々判明しました。
マインドマップは中心から枝(ブランチ)を伸ばし、曲線、シンボル、ことば、色、イメージ(絵)を使って広がっていく。そこには、葉脈や木の枝のような、有機的な構造が映し出されているのである。
また、この構造は顕微鏡で見たときの無数のシナプスや、脳細胞のつながりにも似ている。
人間と同じように、自然界も常に変化と再生を繰り返してあり、わたしたちと同じような伝達のしくみを持っている。その自然のしくみの有効性を生かした思考ツールがマインドマップなのである。
出典:ザ・マインドマップ/トニー・ブザン
要するに、ネイチャーな思考ツールだったって訳だね。
それ…マインドマップではなくてクラスタリングかもよ?
マインドマップをやってみて、「なんか違うな」って感じる場合、マインドマップではなく、クラスタリングとか、スパイダー・ダイヤグラムと呼ばれる構造のものを書いてる可能性が高いです。
正に、僕がやってたのはこれです。
マインドマップではないマインドマップ。つまり、クラスタリングになってしまうと、混乱、退屈、無秩序な思考を招き易いんだとか。
どうりで、まとめたにも拘らず、読み返す気にもならなかった訳だ。
じゃあ、どうすれば正しいマインドマップが書けるのか?
脳はイメージ(絵)と色に反応する
アメリカでは【1つの絵は1000の言葉に値する】っていう諺があるようです。
日本的に言えば、【百聞は一見に如かず】ってところでしょうか。
人が何かを考えるときに使うものって、言葉ですよね。
でも言葉の奥にあるものって、実はイメージだったりします。
その点に於いて、マインドマップは、言葉だけではなくイメージ(絵)を使う事に意味があります。
トニー・ブザンが言うには
言葉と色という、それぞれをつかさどる脳半球が異なる2つの機能を併用するだけで、わたしのノートの取り方が一変したのだ。
出典:ザ・マインドマップ/トニー・ブザン
って事なんですけど、つまり、色んな要素を併用する事で、脳を多角的に刺激できるって事ですよね。
その為に、必要となる要素が
- 視覚的リズムやパターン
- 色
- イメージ(絵)
- ゲシュタルト
だったりする訳です。
人間の脳は、様々な部位や知的機能が別々に使われるより、お互いが調和して機能した方が、より効果的で効率的に働くという事だ。
出典:ザ・マインドマップ/トニー・ブザン
正しいマインドマップを描く10のヒント
【ザ・マインドマップ】の本文中には、マインドマップ作成の10のヒントという項目があったので、先ずそれを挙げてみます。
- マインドマップに適した紙とペンを使う
- 脳の働きに従って、中心から外側に向けてブランチを広げる
- 強調する
- キーワードとキーイメージを使う
- つなげる
- 楽しむ
- 模写する
- ばかげたアイディアもかきとめる
- 作業環境を整える
- 記憶に残るようにする
この中で、個人的に重要だと思う項目は、8の【ばかげたアイディアもかきとめる】だと考えています。
何故なら、マインドマップに限らず、絵を描く時もギターを弾く時も、遊び心が大切だと感じているからです。
僕は、遊び心が無いなら絵を描く意味は無いとすら考えています。
何をするにも、完璧主義は弊害ばっかり呼び込むんです。
参照記事:【完璧主義】は有害!肩の力を抜いて【質よりも量】を取る理由
まとめると、なるべくデカい紙に、曲線を使って、カラフルに描く。
これで、読書メモとして機能するマインドマップに、近付ける筈。
次回はもう少し踏み込んだルールや、注意点についてまとめてみます。