【子供の「脳」は肌にある】を読んで学んだスキンシップの心理的効果
おはようございます。
Kindle Unlimitedで、気になる本を片っ端から読み漁っています。mikioです。どうも。
今回は、本のサブスク、Kindle Unlimitedで面白かった本の紹介です。
その名も、【子供の「脳」は肌にある】です。
この本は今んところ、AmazonのKindle Unlimited内の、ラインナップに入っている本です。
親をやってる人であれば、是非、目を通してみてほしいなぁと思います。
ちなみに、初回登録は無料です。
スマホのアプリがあれば誰でも電子書籍が読み放題
初回の30日は無料・30日以内の退会もOK
さて、この記事では【子供の「脳」は肌にある】の本書にあった、人間の体を論点にした考察をしてみます。
【子供の「脳」は肌にある】は親に読んでほしい皮膚論の本
この本は、皮膚論について、興味深い事が数多く記されています。
例えば
肌は露出した脳である
人が共感する時は身体レベルでの模倣が起こっている
臓器移植した多くの患者はドナーと似た性格が現れる
人は一生を通じて肌に触れられる事を必要としている
自分が自分をくすぐってもくすぐったくない理由
最近の若者は他人に対し防衛意識を過剰に高めている
男性は女性より慢性的なスキンシップ不足に陥っている
親しい相手に触れられたいという欲求は女性の方が強い
人は心に痛みを抱える時スキンシップを求める
僕が面白いと思ったのは、この辺の内容でした。
読者層は、子供の親が読むのに適してはいるけれど、そうでなくても十分に楽しめるし、学べる内容になっています。
久々に、「ふんふんふん」と、スイスイ読み進めてしまいました。
本書の事例を見てると、自分が体験した過去の出来事とか、漫画や映画で見た、表現との繋がりだったりを、いちいち思い出すんですよね。
過去の体験に、エビデンスが添えられる感覚。
「あぁ…だからかぁ」って言ってしまう時の感情、わかりますかね。
何故この人は、こんな行動をとるのか?っていう、理由がわかった時のような。
例えば、ONE PIECEの女性キャラクターで、ナミさんっていうルフィの仲間がいます。
- STEP1第一印象ナミは初期、海賊専門の泥棒として登場する。
- STEP2疑問何故ナミは、海賊専門の泥棒なのか?
- STEP3理由故郷のココヤシ村を、魚人海賊団に支配され、船長であるアーロンから1億ベリーで取り戻す為っていう、いじらしい理由と献身があった。
みたいな、印象のシフト加減です。
彼女は、ただの実利主義じゃなかったっていう、ギャップね。
上記のようなニュアンスで、「あぁーね」って思ったのが、以下の記事で記した、ある子供が遊んでいるオモチャを、力づくで奪い取ろうとする子供の話。
参照記事:子供が他の子にオモチャを奪われそうになった時の【親の対応】について
気になってたのは、その子のバックグラウンドには、何があるのか?って話なんですよね。
人との距離感が変な子供は親のスキンシップが足りないかも?
そんで最近、【子供の「脳」は肌にある】の本を読んでたら、少しわかった気がしました。
例えば、以下のような一文。
ふだん友達とうまく遊べなかったり、衝動的になったりする子どもというのは、家で親に十分に甘えられなかったりスキンシップをしてもらえなかったりすることが多い。
それで友達に思いやりの心をもてなかったり、自己中心的な行動に走ってしまうようだ。
皮膚レベルの欲求が満たされていないのである。
出典:子供の「脳」は肌にある/山口創
なるほど、そういう観点もあるのねと。
小学校に入ったばかりのA君は、落ち着きがなく、自分の席にじっと座っていることができない子だった。すぐに隣の教室に行ってしまい、注意しても言うことを聞いてくれない。友達のものを隠したり髪の毛を引っ張ったり、叩いたりけんかをしたりを繰り返していた。
その子の母親と面接をしたところ、特に問題になる点は見当たらないように思われたが、よく話を聞いてみると、一度も添い寝をしたことがないという。
母親が人から「添い寝をすると乳離れをしなくなる」と聞いたからだ。
また、よい子に育てようとするあまり、よく叱ったり叩いたりもしてきたそうだ。
出典:子供の「脳」は肌にある/山口創
要するに、オモチャを力づくで他の子から奪い取ってたあの子は、母親のスキンシップが足りねぇ説に、該当するかもしれないと。
それが1つの可能性に過ぎなかったとしても、理由がわかるだけで、納得はできますよね。
よくわかんないよりかは、何か手掛かりがある方が、「理解」っていう目線は保たれます。
少なくとも「こっち来んなボケ」とは、思わなくなる。
こんな感じで、体の観点から、様々な事例が並べられています。面白い。
認知発達理論の具体的操作期と形式的操作期の違い
著者の山口創(敬称略)は、子育てを、以下の3つの分類に分けて
- 【頭】
- 【体】
- 【心】
そこから何よりも優先すべき項目は、【体】であると主張しています。
これは、スイスの発達心理学者である、ジャン・ピアジェの【認知発達理論】によって、説明ができます。
認知発達理論では、子供の成長を4つの段階に棲み分けています。
- 感覚運動期
- 全操作期
- 具体的操作期
- 形式的操作期
この認知発達理論の4つの内、後半2つに、具体的操作期(7歳〜11歳)と、形式的操作期(11歳〜)があります。
この2つの違いってのは、簡単に言うと、具体的な認識から、抽象的な認識への移行です。
ここで言う、抽象の典型例ってのは、言葉や数の世界です。
言葉って、記号なので、現実にはあり得ない事も、言うには言えるんですよね。
お肌ピチピチのジジイとか。
丸い三角形とか。
だからこそ、小説(フィクション)が成立する。
で、子供が数を数える時って、実際に、目の前の物体(コップとか動物とか)を目視して、指差し確認しながら数えます。
そうやって、3個だとか、7匹だとか、認識できるようになる。
これが、具体的操作期です。
で、その経験を経るからこそ、頭の中だけでも数を数えられるようになる訳です。
つまり、身体の省略が可能となる。
これは、自分が扱う記号に対して実感が結び付く為には、実際に人の五感を通した体験が、ベースに要るって事なんです。
だからこそ、最優先する項目が【体】なのだと。
そんな話。
具体的操作期ってのは、形式的操作期の前段階で必要となる、体験の事なんですね。
イメージだけでも体を動かす時の神経細胞は活性化する
スポーツやってる人なら、イメージトレーニングの重要性は知ってると思います。
何故なら、イメトレをしてる時の脳の働きは、実際に体を動かしている時の脳と、ほぼ同じような脳の活動をしているからです。
僕は高校生の頃、陸上部だったのですが、県の強化合宿で「イメージトレーニングを毎日100回しろ」みたいな事を言われたのを覚えています。
これに関しては、ハーバード大学パスカル・レオーネ教授の研究が有名ですね。
ピアノの技術に関する研究で、イメトレだけでも指を動かす神経細胞の働きが向上するってやつです。
一番いいのは、実際に指を動かす事と、イメトレを組み合わせる事のようです。
それくらい、脳と身体は連動している訳です。
例えば、生態心理学者の佐々木正人(敬称略)が、1987年に、こんな研究をしているます。
漢字の一部分を思い出そうとするときには、たいていの人は指を空中でお願いいろいろと動かしながら思い出そうとするだろう。
そこでその指の動きを妨害して動けないようにしてしまうと、想起率も悪くなるという。
また、ジェスチャーの研究では、人が話をする場面をコマ送りにして詳細に観察すると、口から言葉を発する直前に体の方が先に動いていることまでわかっている。
知的活動というのは頭の中だけで行なわれているように思われているが、実は体の動きと密接な関係があるのだ。
だからこそ、頭だけを鍛えて体を置き去りにしてしまっては、知的活動もうまくいくはずはない。
出典:子供の「脳」は肌にある/山口創
この辺は、以前記事にした内容にも通ずるところがありますね。
参照記事:速く考える為には【頭の中で考えない】事が重要となる
子供の頃のスキンシップが大人になっても精神に影響し続ける
そもそも、スキンシップが子供に与える影響は、母親と父親とで異なるようです。
基本的には、母親が子供とのスキンシップによって影響の方が大きいです。
例えば、母親の「世話」としてのスキンシップは
- 自分が受け入れられ大切にされているという自信
- その事により他者への信頼感を高める
というものです。
それでも確実に、父親が子供とのスキンシップを通した時の影響はあります。
それが、コミュニケーションとしてのスキンシップです。
- 世の中に意識を向ける
- 人と協調して何かをしていく
これらは、子供の社会性に影響を与えるのだとか。
要するに、母親と、父親。両親のスキンシップが、バランスよく子供の心を成長させる訳ですね。
これが不足すると、他人に触れられた時に「親しみ」や、「励まし」のような、肯定的な印象は抱かず、「緊張した」といった否定的な印象を抱くようになるそうです。
更に言えば、この影響は、大人になってからの恋愛感にまで及ぶ。
以下は、著者によって行われた、154名の大学生を対象にした調査結果です。
乳児期に母親とのスキンシップが少なかった大学生は、多かった大学生よりも、人間不信や自閉的傾向が高く、また自尊感情が低いことがわかった。
出典:子供の「脳」は肌にある/山口創
しかも、幼少期のスキンシップ不足によって、成人後も満たされなかった感覚への刺激を求めて行動する傾向が強くなるそうです。
子供のころに皮膚感覚の刺激が不足していると、皮膚の感覚飢餓状態に陥り、大人になってからはそれを過剰に求めて、無意識のうちに皮膚感覚を刺激する行動に走らせてしまうことがあるようだ。
体のさまざまな部位へのピアスや刺青、果てはリストカットにいたるまで、自分の体に傷をつけて感覚を呼び覚ます行為をすることが多い。
出典:子供の「脳」は肌にある/山口創
この事からも、親子間でのスキンシップの重要性が窺い知れますね。
試しにどうぞ
初回の30日は無料・30日以内の退会もOK