論理とは何か?デザインとの相関を考察【ポイント編】

2019年2月12日思考のデザイン

ゴールからスタートビジネスシーンではよく、論理的(ロジカル)に話そうと云う言い回しが、当たり前のように普及しています。所謂、結論から言おう。というものですね。

これには、相手の貴重な時間を無駄に削らないようにする為の配慮と、端的にシンプルに情報を整理し、伝達する事で、何が言いたいのかが過不足無く伝わるようにする。そんな意図があります。

情報を効率的に伝える

PREP法と云うフレームワークが、それにマッチしますね。

これは、Point(結論) Reason(理由) Example(例示) Point(結論)の頭字語(アクロニム)です。

人が納得するための読解セットが、抽象と具体含め、必要最小限に形式化されています。この順序で主張を言及する事で、意思疎通の効率化が図れるのです。

心理学の観点から見るPREP

このフォーマットは、心理学の観点から見ると、最初と最後のPoint(結論)部分が、初頭効果親近効果に相当します。

  • 初頭効果とは、最初の印象がその後の印象にも作用する事。
  • 親近効果とは、最後の印象がその後も残る事。

つまり人間の特性的に、最初と最後の印象は強く残り易い。と云うものですね。逆に言うと、中間の印象は弱くなるようです。

この点から、PREP法は要点が記憶に残り易い構成になっています。

情報を物語的に伝える

ところで何故、結論から伝える必要があるのでしょうか。結論から伝える事の有用性って何でしょう。人の思考はそもそも、根拠から結論に向かうプロセスを踏む筈です。

これを、推理小説の手法である、叙述倒叙と云う観点から考察してみます。

叙述と倒叙の観点から見る、物語的なPREP

先ずは叙述と倒叙の定義について。

【叙述】とは

[名](スル)物事について順を追って述べること。また、その述べたもの。「事件をありのままに叙述する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

【倒叙】とは

現在から過去へ、時間を逆にさかのぼって叙述すること。「倒叙法で書く推理小説」

出典:デジタル大辞泉(小学館) 

続いて、この概念と親和性の高いミステリーサスペンスの意味も

【ミステリー】とはmystery

 神秘的なこと。不可思議。謎。怪奇。「だれがやったか、それは今もミステリーなのです」
 推理小説。
 秘跡劇。聖史劇。

出典:デジタル大辞泉(小学館) 

【サスペンス】とは(suspense

《未解決・不安・気がかりの意》小説・ドラマ・映画などで、筋の展開や状況設定などによって、読者や観客に与える不安感や緊張感。また、その小説・ドラマ・映画など。「サスペンスドラマ」

出典:デジタル大辞泉(小学館) 

さて、物語に於ける叙述倒叙ミステリーサスペンス。この辺の定義って、明確な定義が無くて、何が定説で通説・俗説なのかもよく解りません。

従って便宜上、一般的に使われている文脈から汲み取ったニュアンスと、辞書の意味を汲み取って、自分なりに拡大解釈したものを以下に展開する事をご了承下さい。

そして、信用出来る定説が見つかり次第、記事を刷新する予定です。

叙述形式

上記にあるように、叙述は順を追って説明する事。

従って、叙述形式のストーリー展開は、時系列で最終的な結論に迫る手法です。大半の物語はこれに該当します。

物語に於いて重要なポイントは、受け手を飽きさせない事です。相手の興味・関心を持続させる事が大前提になります。

叙述形式は、結論に対する期待を煽る形で物語を牽引するのです。

例えばTVの文脈で言うと、CMを挟むタイミングって、原因から結果に向かう寸前の所で無理矢理ぶった切ってませんか?

そうする事で、「どうなるの?」と云う知的好奇心や、心理的な期待値を煽る仕掛けになっています。そのCMですら、「続きはWEBで」って言ってみたりね。

ただこれって、本編がサスペンス状態だからこそ機能する仕掛けだと思います。

既に結果を知っている場合や、サスペンス状態が発生していない場合(川のせせらぎの映像から、続きはCMの後で!と言われても)興味は持続しません。

そのままザッピングしたり、TVの電源自体を消してしまうかも知れません。

つまり、叙述形式がエンターテイメントとして成立する為には、心理的にサスペンス状態が不可欠と云う事です。

で、これを情報伝達に置き換えると、叙述形式は余程の話術の持ち主か、余程暇な状況下でない限り、相手の興味の持続性が保てません。

興味の無いミステリーを聞かされるのは苦痛です。僕が相手の立場だったら、貧乏ゆすりし始めるんじゃないかと思います。

しかも目的が情報伝達である限り、相応しい伝え方とは言えません。

仮に話が面白かったとしても、時限爆弾を止める為に青か赤のコードを切らなきゃいけないようなピンチな時に、爆弾処理の専門家に面白く叙述されても、「今それどころじゃねーんだよ!青なの!?赤なの!?」となるでしょう。

倒叙形式

そこで、倒叙形式です。

推理小説の文脈で言うと、古畑任三郎のように、最初から事件を引き起こした犯人が誰なのか、既に明かされています。

転じて、倒叙形式のストーリー展開は、予め最初の段階で「ハッピーエンドです」「バッドエンドです」って言っちゃう訳です。

そして、その結末に対して、何故そうなったのか。経緯を展開していきます。

この倒叙形式とPREP法が構造的に似ていると思うのです。

数字にすると、通常の起承転結が1.2.3.4だとして、倒叙形式は、4.1.2.3.4のようなイメージです。

例えば、日本人であれば知名であろう映画。火垂るの墓は倒叙に該当します。冒頭から主人公の清太が死んでしまう事が判った上で、死に至るまでのが描かれていきます。

僕の見解だと、こうする事で劇中の兄妹の、生への緊張が一層強められているように思います。

結論から伝える事で相手の認知負荷が下がる

目印上記の倒叙形式のように、結論から伝える事の特徴は、最初に話の大筋を提示する事で敢えて先入観を象る点です。

言い換えると、目的地となるゴールを決めてからスタートする。と云う事です。

そうする事で、頭の結論がその後の展開に於いて、目印や物差しの役割を果たします。

情報伝達に於いては特に、これが有るのと無いのとでは、相手への認知的な負荷が違って来ます。

ゴールが不明のマラソン大会なんてあったら苦痛じゃないですか?

何故なら、あと1km先なのか、100km先なのか、いつ終わるのかが解らないからです。

これも正に、宙ぶらりんのサスペンス状態。エンターテイメントに於いては面白さの要素となりますが、時間制限のある仕事に限ってはストレスを生む要素になりうる。

従って、自分に対して興味・関心が低い相手や、時間の制約がある仕事上の遣り取りを背景にした状況に対しては、倒叙形式が相応しい伝え方となります。

上記の時限爆弾の件のように、目的によって、情報を受け取る構え方も変わってくるからです。

映画や落語を見に行くのであれば、叙述形式だろうと倒叙形式だろうと、話自体を叙述されていく様を目的としているので楽しめます。

つまり、人を楽しませると云う目的なら、叙述でも倒叙でも良いんです。

ただ情報を伝える。と云う目的となると、倒叙形式やPREP法。

即ち、結論から提示する伝え方が適切。と云う事になります。

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mikio
以上、mikioでした。ありがとうございました。
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