majority bluesと【仲間はずれ】を懸念する少女の心理
「美少女のメンタルヘルスは、脆弱な傾向がある」
ホンマでっか!?TVという番組で、そんな主旨の発言をしたのは、心理学者の植木理恵(敬称略)です。
11歳くらいまでの子供は、「周囲から突き抜けたくない」「グループの一員なんだ」と、思いたい欲求が強いようです。
「小学校の時の可愛い子って、目立とうとしないよね」(マツコ・デラックス)
「女優さんとかでも、昔はシャイでしたみたいな人、多いですよね」(亀梨和也)
その場に居たタレントの発言にもあるように、自然とそうなってしまう傾向がある。
これは男女問わず、【人間の総合力は同じだ】っていう原則を、幼い頃程持っているからだそうです。
例えば、男の子だと
- すごく背が高い
- すごく運動能力がある
- すごくハンサム
そういった子供は、60分間の会話を測定していると、ジョークの数が圧倒的に少ない。
- 冗談を言わない
- 声のボリュームが小さい
等々、突き抜けて何かが出来る子は、控えめであるという事がわかっています。
無意識に、それで全体のバランスを取ろうとするそうです。
女の子だと、それが勉強面で露骨に表れてしまう。
テストの前の日に、「昨日の美人コンクールで美人だったよ」と伝えるグループと、伝えないグループを作ると、「美人だったよ」と伝えるグループは、テストの成績が如実に下がるという実験結果がある。
これは、本人が自分の意思で成績を下げようとしている訳ではなく、能力が潜在的につじつまを取ろうとするからだそうです。
majority blues/チャットモンチー
幼少期特有の、「周囲から突き抜けたくない」という欲求と聞いて思い出すのが、チャットモンチーのmajority blues。
my majority
みんなと同じものが欲しい だけど
majority minority
みんなと違うものも欲しい
出典: majority blues
チャットモンチー/橋本絵莉子
先述したような、幼少期のラインが大体11歳だとすると、この曲の詩はそれより後の、中学・高校生あたりの心境ですよね。
- 「みんなと同じでありたい」
- 「ハブられたくない」
- 「でも自分らしさもほしい」
精神的に、次のフェイズに移りゆく思春期の、この微妙な感覚。心当たりありませんか?
歌詞の内容は、明らかに橋本絵莉子(敬称略)の、バンド人生を切り取ったハイライトです。
少しづつ移ろう、彼女の景色と時間。
そして最後に、このフレーズに辿り着く。
my majority
あなたを作るの私じゃない だけど
majority minority
あなたを守る人は私
出典: majority blues
チャットモンチー/橋本絵莉子
僕は最初に聴いた時、母として、自分の子供に言っているように聴こえました。
「あなたを守る人は私」って言い切る、この強さ。
底知れぬ度量の、献身を感じます。
でも、何回か聴いてると、過去の自分に言っているようにも聴こえるし、未来の自分に言っているようにも聴こえるんですよね。
美人程、はみ出さないように、バランスを取る為に控えめになっていくって話は、以下の記事の、【ステレオタイプの女性=控えめな女性】のイメージと、何か相関するのかな。