低音と濁音に基づく迫力のゴジラポイントについて解説する
おはようございます。
9月です。どうもmikioです。
夏ももう終わって秋の気配ですね。なんだか寂しい。
しかし、個人的に朗報というか、来年の夏へのお土産が一つ出来ました。
もう今から待ち遠しいのですが、来年の夏は、ハリウッドでリブート(再起動)されたゴジラ(2作目)が公開なのです。
7月にその予告、キング・オブ・ザ・モンスターズが解禁されました。
しかも、キングギドラ出ます。
2回言います。キングギドラ出ます。
20年前(1998年)に公開されたローランド・エメリッヒ(敬称略)のGODZILLAは、怪獣じゃなくて爬虫類扱いでした。馬鹿にしてますね。
当時の自分からすれば、恐竜みたいなフォルムを見ただけで失望して、視聴すらしなかったです。
ギャレス・エドワード(敬称略)のGODZILLAは、本人がゴジラ好きだった事もあって、本家を忠実に踏襲してくれています。
ただ今回、スターウォーズのスピンオフを監督する等の理由で、ギャレス・エドワード監督は降板しています。
従って、続編はマイケル・ドハティ(敬称略)が監督したGODZILLAのようです。
予告の最後にゴジラが放つ、咆哮のサスティン(音の伸び)が、凄まじい脅威と緊迫感を生むんですよ。
さて、此処で改めて、「えー…一体、ゴジラの何処が良いのさ?」と顧みてみると、やはりあの、圧倒的な巨大さにありますね。
僕は子供の頃から、ゴジラだとか、ウルトラマンが纏う、規格外のスケール感が好きだったんですよ。
だから仮面ライダーは、そんなに興味が無かったです。
巨大さって、何やら男のロマンだよ。
って事で、今回は、この感じ方としての巨大さや迫力、即ち、ゴジラポイントについて、焦点を当ててみます。
終焉の画家【ズジスワフ・ベクシンスキー】のゴジラポイント
ここで言う、ゴジラポイントとは何か?
それは、巨大なものに対する、圧倒的な畏怖。
異界の怪獣が突如、街に現れたような、混乱と恐怖と、最早、なす術の無い暴力的な陶酔。美しさ。
一言でまとめると、デカいって事です。
そして、そんな印象を、異様に残す絵を描く画家が居ます。
ズジスワフ・ベクシンスキー(敬称略)という人物です。
ズジスワフって言い辛いし、中々憶えにくいのだけど、終焉の画家という異名を持った、ポーランドの芸術家です。(享年75歳)
彼の作品は不気味で禍々しくて、得体の知れない迫力に満ちている。
そして何だかよく解らない寂寥感。悲鳴のような、哀愁のような。何なんでしょう。
都市伝説では、3回見たら死ぬ絵とか言われるような絵画を描く人なので、人によっては不快に思う人の方が多いかも知れません。
少なくとも、自分と、ベクシンスキーの絵との距離の間に、何かが起きていて。
それを感じ取れた。 という事実が、僕にとってこの画家を好きになった理由を形成していると言えます。
この記事で言及したような、「なんじゃこりゃ」が、この人の絵には宿っているのです。
こんな意味不明な迫力、出そうとして出せるもんじゃないですよ。
この意味不明さが、僕にとってゴジラポイントなんです。
【ゴジラ】が持つ濁音と低音が巨大なスケール感を印象付ける
巨大なスケール感、迫力を表現する上で、重要なファクターの一つが、音です。
此処では、興味深い記事を一つ紹介します。
「ゴジラ」という怪獣がいるが、奴がもし「コシラ」だったらどう感じるだろうか?「ガンダム」が「カンタム」だったら?あの巨大な体格に似つかわしくない名前になってしまったように感じないだろうか。
ちなみに、「カンタムロボ」は、『クレヨンしんちゃん』のなかに実在する。「カンタム」は野原しんのすけにぴったりな、可愛いロボットである。
つまりこの例においては、「濁音=大きい、重い」と考えることは間違いではない。
この文脈で言うと、ズジスワフ・ベクシンスキーの名前自体にも、迫力を感じる要素があるって事ですよね。
もしこれが、スシスワフ・ヘクシンスキーだったら、あんまり好きになってなかったかも知れません。いや冗談ですけど。
ちなみに、この「濁音=大きい」というつながりは音響学的にも納得がいく。
「濁音を持つ音」というのは「低い周波数帯に強いエネルギー」をもつ。
自然界において、低い周波数帯で振動するものは大きいものである。
この記事を見て、漸く解けた謎があります。
それは、このバンドが出す爆発音の正体です。
美を追求するバンド、THE NOVEMBERSのHallelujah。
THE NOVEMBERSのHallelujahが放つゴジラポイント
以下の動画だと、開始30秒後のイントロの音ですね。
この爆発音。僕にとってはゴジラポイントなんですよ。
ビリビリとした低音のサスティン(音の伸び)が、最高に心地良い。
なんでこんなに暴力的な音が放たれているのに、この曲は多幸感に溢れているんだろう?面白いです。
規則的な爆音が、祝福を告げる鐘の音のようにも聴こえる。
いつ聴いても、フラットに気持ち良い。
THE NOVEMBERSはそれ以前に、Moiréと云う曲をリリースしています。
Hallelujahの原型のような構成で、一撃を放つ事の美しさを教わったような、スケールの大きい曲です。
楽器だって大きいものは低い音を出す。
昔、Moiréみたいな曲を作りたい!と考えながら作った曲があったんですけど、全然イメージと違うんですよ。
それが何故なのか、この記事を見た時にやっと気付いたんですけど、低音が足りなかったんですよね。
これ、バンドやっておきながら、よく解って無かったんですけど、低音程、デカイ音が出るって話です。
つまり、低音が弱いサウンドは、迫力が無いって事です。
当時の自分が、その辺を理解していたら、ベースにもっと、前に出て来てもらうよう伝えられたんですよね。
つまり、バンドに於いて、ベースは一番デカイ音が出せるって事です。
派手に言えば、ベースは、最もゴジラなんです。
僕にとって、バンドはゴジラです。
心を解放させる音の空間で、僕はゴジラになれるんですね。
そして、高松浩史(敬称略)のベース音を聴きながら、僕はゴジラになる
はい、わけわかんないですね。
僕にとって、THE NOVEMBERSは、ゴジラ的な要素を多分に内包してます。
俺のゴジラを聴け!【naked】
当時、まだバンドを組んでいた23歳くらいの頃、僕にとってのゴジラを、曲にしました。
厳密に言うと、これは人のアイワナビーのメタファーで、欲望を擬人化ならぬ、ゴジラ化したものです。
正面から1000人のアンチテーゼが向かって来た時に、思っきし肩ぶつけながら前に進むようなイメージで作った記憶があります。
この曲が完成した時は本当に、「俺のゴジラが出来た!」と興奮しましたね。
心臓がバクバクしていました。
リフがダサいって言われますが、いいんです。これが俺の怪獣の音なんです。
幼児期の頃に、初めて映画館で見た映画も、家のピアノで初めて耳コピでなぞって弾いていたのも、段ボールで作成した着ぐるみ被って吠えてたのも、幼稚園で描き続けたイラストも、全部ゴジラ。
曲を構成していた日常生活に、頭の中でこの「neked」の幻聴が爆音で鳴り響く。
そんな謎の現象が発生したのも、この曲が最初で最後でした。
音なんて、何処にも鳴っていないのに、脳内が激しくうるさかった。
体験した事のない感覚でした。
バンドは面白いです。
ギターを介して。マイクを介して。子供の頃に憧れたゴジラになれるのだから。
つまり、バンドを組んで、アンプにシールドぶっ刺して、ジャーン!とか、ボーン!とか音を出してみると、もしかしたらあなたのハートに潜在するゴジラが、覚醒するかも知れませんぜ。
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