子育ての観点から読む【人を動かす】という古典本の活かし方

読書レビュー

テーブルにデール・カーネギーの本

おはようございます。

怒るつもりなんか無かったのに、主観に支配されて怒ってしまった時、子供の寝顔を見ながら、やるせない気持ちになる。mikioです。どうも。

知ってる人は、当たり前のように知っている本ですが、知らない人は全く知らないであろう古典。

それが、D.カーネギーの【人を動かす】です。

どういう事かっていうと、この本への興味の有無って、ビジネスへの興味の有無と直結するんですよね。

僕自身、ビジネスの勉強を始めるようになってから、【人を動かす】という本の存在を知りました。

脳内にビジネスのチャンネルが入ってくると、情報収集してるうちに、【人を動かす】っていう本のタイトルが、何処からともなくポツポツと目と耳に入ってきます。

なんでかっていうと、ビジネスの構造そのものが、人間関係をベースにしているからですよね。

需要と供給は、人の元に発生します。

当然ですが、数字の先には人が居ます。価値への対価として、お金を出してるのは人間です。

我々もあなたも、お人好しのボランティアじゃない。

出典:THE NOVEMBERS/WEBLOG/小林祐介

以前、この記事で少し触れましたが、今回、改めて子育ての観点から、【人を動かす】の普遍性について、まとまてみようという話。

参照記事:【ふぁっくALL】にするから戦争なんでしょ

この記事の結論

相手へ興味を持つ事から、親密な関係は始まり、延いては恋愛やビジネス、子育てにまで及ぶ

【人を動かす】が優れた古典として残っている理由

因みにこの本、めちゃくちゃ古いです。

リリースが西暦1937年だから、今から約83年前に発売された本なんですよ。

1937年=昭和12年は、美空ひばりの生まれた年だったりします。

それくらい、古い本です。

にも関わらず、未だに売れ続けている本であり、支持されている古典中の古典だったりします。

なぜでしょうか?

時代を超えて残っている本には、普遍的な何かが宿っています。

例えば、この本では、古典化のプロセスについて語られています。

稲垣足穂という知人が自分の作品に「千年生き残る」といった意味のことを新聞広告にうたっているのを見て、目がさめたようである。

いくら優れた詩人でもこんなこと言う資格は無い。

古典は作者によって生まれるものではなく、読む人、後々の人によってつくり上げられるものである。

詩人がどんな優れた作品を書いたにせよ、自分で、千年の古典になるなど本気で考えることはできない。

それを出発点にして、自分なりの古典の原理を仮説として作り上げた。

作者は作品を作る。それに文学史的価値を加えて古典にするのは受容者である。作者だけで古典になった例は無い。

出典:乱読のセレンディピティ/外山滋比古/p147

つまり、古典は作者が一人で作るものでは無く、後世の受容によって選ばれ、残されて行く

因みに、お茶の水女子大学名誉教授である、外山滋比古(敬称略)は、なんと、1923年生まれ。

つまり、今年(2020年)で97歳。マジか。

乱読のセレンディピティが出版されたのが2014年なので、その当時、91歳で執筆されているという事実。

バイタリティに溢れ過ぎてます。

それ程の歴史を生きた人が、古典について言及してるのは、流石に説得力ありますよね。

【人を動かす】の内容は対人関係の基本であり本質が載ってる

じゃあD.カーネギーの【人を動かす】って、「どんだけ凄い事が書いてあるんだろう?」とか、思いますよね。

全然、普通です。

誰もが知ってるような事しか、載ってないんですよ。

で、読んでみるとわかるんですが、冗長です。

内容としては、具体的な事例が、本の中に断片的に並べられている構成になってます。

これ、【人を動かす】という本の、抽象度を上げた結論とか、ある程度の物差しを持ってる人が読めば、腑に落ちる部分はあると思います。

でも、本を読み慣れてない人、喫緊での問題意識が低い人が読んだら、普通に眠くなると思います。

っていうのも、物語形式で、抽象度が低い上に、色んな人の名前が出てくるので、ごちゃごちゃした印象が強いからです。

そもそも、タイトル微妙じゃないですか?

人を【動かす】とか言われると、反射的に「胡散臭いな」とか思いません?

コンビニによく置いてあるような、悪用厳禁みたいな、手を伸ばす気にもならない本のたぐいなのかと。

ただ、そこは後世の受容によって残された古典の1つ。

重要な事を問いかけている内容になっています。

人が当たり前にしてしまった認識って、何かを忘れる事と、トレードオフになってます。

「誰もが知ってるんですよね?」「当たり前なんですよね?」

じゃあそれ、あなたはできてるんですか?」と。

なんで、未だに80年以上前の本が売れ続けているのか?

頭でわかっていても、実際には、全然できてないからですよね。

つまり、80年経っても、人間の心理はそんなに変わらないって事です。

興味を持って人の話を聞く事から広がる好意の要素

最近、以下のような記事をまとめてはみましたが、人間関係って、結局のところは他人に興味を持ってるか否かってところなんだと思います。

参照記事:コミュニケーション能力の高い人の特徴は記憶に収納されている具体エピソードの数が多い

例えば、ロンドンブーツの田村淳(敬称略)って、モテる事で有名ですよね。

あれ、なんでかって言うと、人間に興味がある人だからなんですよね。

何年か前の【switchインタビュー】という番組で、チームラボの猪子寿之(敬称略)との対談を見てて、わかりました。

その中で、【課外授業ようこそ先輩】っていう番組のダイジェストが紹介されていました。

田村淳の、母校の小学校で授業している様子です。

そこで田村淳が教えていたのは、相手のいいところを探し出す為の言葉についてです。

それが「へぇ~、はいはいはい、なるほどね」という、具体的な相槌なんですね。

で、子供達は、町の弁当屋にその言葉を使って、取材に行くっていう内容。

この辺が、【人を動かす】の内容と、共通するんですよね。

同じお笑い芸人である西野亮廣(敬称略)も、以下のYouTubeで同じ事を言ってます。

20歳の頃の実績も何も無い、若手の頃にやった事。トークのステルスパスについてとか。

つまり、黒子のバスケで言うところの主人公、黒子的な役割ですよね。

【人を動かす】っていう本に触れておくと、そういった事が見えてきます。

改めて、本書の普遍性みたいなものを感じました。

ビジネスで言うと、プロダクトアウトではなく、【マーケットイン】の発想。

デザイナーに求められるのは、医者のような問診力だってのも、デザインを教えてくれた人が、言っていた話。

つまり

  • 相手の話を聞く
  • 相手のやりたい事や、ほしいものを知る
  • それを差し出す

基本的には、プレゼントの時と同じプロセスです。

自分が好きなものを渡しても、相手が好きとは限らないから。

で、その点、【人を動かす】っていう本は、子育てにも転用できるなと思いました。

子供に自己重要感を持ってもらう意識を忘れない

【人を動かす】では、幾つもの原則が出てきます。

  • 人を動かす3原則
  • 人に好かれる6原則
  • 人を説得する12原則
  • 人を変える9原則

こんな感じ。計30原則です。

これらの原則を、無理矢理ミキサーにぶち込んで絞り出してみると、やっぱり子供に【興味を寄せる】っていう単語が、抽出されて来るんですよね。

ただそれだけだなって、思うんですよ。

頭ではわかっている。でも、それを生活に反映させる事はできているのか?

普段、忘れてるんじゃないのか?と。

どうしても、家事育児の中で、子供とゆっくり向き合う時間て、当然ですが、作ろうとしなければ作れないです。

いや、勿論、1日中、子供と遊んでるだけでいいなら、そうしたいですよ。

でも、そんなことやってたら、家庭崩壊しますよね。

仕事しないと、生活できないから。

そうすると、保育園、幼稚園に行くまでの、朝食とか、弁当とか、着替えとか、もろもろ準備とか。

時間的な制約があると、子供が全然準備してくれない時に、怒ってしまう時に状況ってのは、どうしてもあるんですよ。

じゃあどうしたら、限られた時間の中で子供が準備してくれるのか、親が工夫しなければならない。

この時に、【人を動かす】の本で述べられているエピソードが、ヒントをくれると思うんです。

頭ごなしに命令するんではなく、子供が、自発的に動きたくなるような動機をデザインする。

それは、それぞれの親が考える必要があります。

以下の記事でも、子育てについて、色々と科学的な根拠をまとめていますが

参照記事:【子供の「脳」は肌にある】を読んで学んだスキンシップの心理的効果

参照記事:もう子供に怒りたくないと思ったら読む本【親業】に学ぶ共感のメカニズム

結局は、知っておくって事に、意味があると思っています。

人間、知らないものは、見えないので。

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mikio
以上、mikioでした。ありがとうございました。
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